麻布台ヒルズ(あざぶだいヒルズ、英語: Azabudai Hills)は、日本の東京都港区麻布台一丁目・虎ノ門五丁目・六本木三丁目に所在する再開発地区・大規模複合商業施設である。
区域面積は約8.1 ha 、敷地面積は約63,900 m2 、延床面積は約861,500 m2 。中核となる麻布台ヒルズ森JPタワーは高さは325 mで、日本一高い超高層ビルである。
2023年6月30日竣工。2023年11月24日開業。総事業費はおよそ6400億円になる。デベロッパーは森ビル。
概要
森ビルが主導した六本木ヒルズと似通い、地権が非常に複雑で着工までに長い年月を費やした。1989年に「街づくり協議会」を設立し、2017年に都市計画決定され、2018年3月27日付をもって、東京都がこの再開発の事業組合の設立を認可し、2019年8月5日に着工した。
麻布台ヒルズは麻布台ヒルズ森JPタワー、麻布台ヒルズレジデンスA/B、麻布台ヒルズガーデンプラザA/B/C/Dに分かれている。麻布台ヒルズ森JPタワーの高さは325.19 m(地上64階、地下5階)で、オフィスのほか、住宅、医療施設、商業施設、インターナショナル・スクールも併設される。2棟の麻布台ヒルズレジデンスは住宅主体の高層ビルで、レジデンスBの高さは262.83 m、レジデンスAの高さは237.20 mとなる。麻布台ヒルズガーデンプラザは3〜8階建ての建物4棟から成っている。また、森JPタワーとガーデンプラザの間に面積約6,000 m2の中央広場を設置する。
麻布台ヒルズ森JPタワーの建設地には、かつて日本郵政グループ飯倉ビルがあった。麻布台ヒルズレジデンス及び麻布台ヒルズガーデンプラザの建設地は「我善坊谷」と呼ばれる窪地で、住宅や商店が建ち並んでいた。麻布台に住む住民によると、建設地には着工の20年以上前に森ビルの社員寮が建ち、それ以来、森ビルは建設地に入る各家に「土地を売って欲しい」と声をかけて回っていたものの、ビルが建つことは全く教えてくれなかったという。
設計については、麻布台ヒルズ森JPタワーと麻布台ヒルズレジデンスAは森ビル/日本設計、麻布台ヒルズレジデンスBは森ビル/日建設計/日建ハウジングシステム、麻布台ヒルズガーデンプラザは森ビル/山下設計、また施工については、麻布台ヒルズ森JPタワーと麻布台ヒルズレジデンスAは清水建設、麻布台ヒルズレジデンスBは三井住友建設、麻布台ヒルズガーデンプラザは大林組がそれぞれ担当する。
なお、ドイツ銀行の日本における事業拠点を2024年に、これまでの山王パークタワー(千代田区永田町)から麻布台ヒルズ森JPタワーに移転することがすでに発表されている。ブリティッシュ・スクール・イン 東京も麻布台ヒルズに新キャンバスを開く予定。
また、2024年2月9日にはそれまで江東区青海(お台場)のパレットタウン内にて2018年6月から2022年8月31日までの期間で営業していた「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」を本施設内に移転した上で開業した。これについて、森ビル新領域企画部の杉山央課長は、「日本人ならではの感性や最先端の技術を駆使することで、ここでしか得られない特別な体験を提供したい」と述べている。さらに、杉山は「人々の営みがシームレスにつながる街になり、チームラボボーダレスのコンセプトともつながります。ボーダレスは、言語に縛られず楽しむことができるアート作品です。新しい街に文化要素を加えることで、豊かなライフスタイルになると考えています。」とも述べている。
そして、2022年12月14日に、森ビルはこの街の名称を『麻布台ヒルズ』にすることを明らかにした。それと同時に、この『麻布台ヒルズ』のロゴデザインも明らかにした。また、2023年7月より都営バスの麻布台停留所が『麻布台ヒルズ』に改称された。
2023年8月8日に、開業日を2023年11月24日にすることを明らかにした。これに先行して8月30日にブリティッシュ・スクール・イン・東京が開校したほか、11月6日に慶應義塾大学予防医療センターが検査提供を開始する。11月24日に予定通り開業し、中央広場にてリボンカッティングが行われた。
なお、麻布台ヒルズレジデンスBは、工期不足、設計ミス、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、竣工の延期を余儀なくされた。
中央広場
中央広場
東京ドーム1.7個分の面積は、約3分の1が緑化されていて、中央には6000 m2の芝生の広場がある。
果樹園
中央広場の傍らには果樹園があり、都心でフルーツもできる憩いの場にしようと、なっているミカン等11種類の果物は誰でも採っていいという。
低層棟のデザイン
低層棟の設計とランドスケープデザインを担ったのはイギリスの『ヘザウィック・スタジオ』。 曲線的な形状を構成する鉄骨とそれを覆うGRC(ガラス繊維補強コンクリート)は、一つとして同じ形がない。ジョイント部分も一つ一つ角度や形状が異なっている。それらを施工者と共有し、誤差なく製造したことで実現した。 鉄骨によるアーチ構造は内部空間の容積を大きくするのに寄与している。 GRCの中には様々な色の小さな石粒を混ぜ込み、洗い出し仕上げをしている。近くに寄ると、色々な石のつぶつぶが見ることができる。
- 低層棟のデザイン - 建設の様子から
交通
- 鉄道
- 東京地下鉄(東京メトロ)
- 南北線 六本木一丁目駅:徒歩3分(程度)
- 日比谷線 神谷町駅:直結
- 路線バス
- 都営バス
- 渋88(渋谷駅〜神谷町駅〜新橋駅)「麻布台ヒルズ」停留所
- 橋86(目黒駅〜麻布十番駅〜新橋駅)・浜95(品川駅港南口〜浜松町駅→御成門駅→東京タワー→御成門駅、本数少)・渋88「虎ノ門五丁目」停留所
周辺
- 神谷町駅
- 外務省飯倉別館
- ロシア大使館
- オランダヒルズ
- 国道1号(桜田通り)
- 港区立麻布小学校
- 東京タワー
- 麻布通り
- 六本木ファーストビル
- 首都高速都心環状線・飯倉出入口
脚注
関連項目
- 森ビル
- 我善坊谷 - 建設地に存在していた谷で、再開発により土地が嵩上げされ消滅した。
- 横川省三
外部リンク
- 麻布台ヒルズ
- 麻布台ヒルズ - 森ビル株式会社




