BCL6(B-cell/CLL lymphoma 6)は、ヒトではBCL6遺伝子にコードされるタンパク質である。BCL2、BCL3、BCL5、BCL7A、BCL9、BCL10と同様、リンパ腫において臨床的に重要である。
機能
BCL6遺伝子にコードされるBCL6タンパク質は進化的に保存されたジンクフィンガー型転写因子であり、N末端にPOZ/BTBドメインを持つ。このタンパク質は配列特異的な転写リプレッサーとして作用し、B細胞のSTAT依存的なIL-4応答を調節することが示されている。このタンパク質はいくつかのコリプレッサー複合体と相互作用して転写を阻害する。BCL6遺伝子はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)において高頻度で転座や高変異が生じていることが知られており、DLBCLの発症に寄与している。エクソン7がスキップされたスプライスバリアントは、DNA結合ドメインの最初の2つのジンクフィンガーを欠く短いタンパク質をコードする。
生理学的には、BCL6はナイーブヘルパーT細胞の濾胞性ヘルパーT細胞(TFH細胞)への分化をもたらす主要な転写因子である。その作用は転写因子Blimp-1による負の調節を受ける。
診断における有用性
組織切片中のBCL6の存在は免疫染色によって確認される。BCL6は非腫瘍性胚中心と腫瘍性胚中心のB細胞にのみ存在する。そのため、リンパ節における反応性過形成や、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫、結節性リンパ球優位型のホジキンリンパ腫など、濾胞性B細胞由来のリンパ腫を示す。また、Bcl-2抗原に対する抗体と併用することで、Bcl-2陰性の良性過形成に見られる濾胞と、腫瘍性濾胞を区別することができる。
相互作用
BCL6は次に挙げる因子と相互作用することが示されている。
出典
関連文献
関連項目
- 結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫
- びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
外部リンク
- BCL6 protein, human - MeSH・アメリカ国立医学図書館・生命科学用語シソーラス(英語)
- Human BCL6 genome location and BCL6 gene details page in the UCSC Genome Browser.




