「ヘロイン」(Heroin)は、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドが1967年に発表した楽曲。
概要
ルー・リードは1964年6月にシラキュース大学を卒業すると、故郷のニューヨークに戻り、ピックウィック・レコード(Pickwick Records)というレコード会社に勤めた。リードは後年、ラジオのインタビューで次のように答えている。
ただし「ヘロイン」の歌詞は海とまったく無関係ではない。「千年前に生まれたらよかったのに/ばかでかい帆船に乗って/真っ暗な海に向かって旅立ちたかった/こんな土地からさっさとおさらばするんだ/船乗りの制服と帽子を身に着けて」という一節がある。
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドは1966年4月にニューヨークのセプター・スタジオでファースト・アルバムのために本作品を録音するが、同年5月にロサンゼルスのTTGスタジオで再録音された。ベースは入っていない。「D♭」と「G♭」のコードで主に構成されている。
1967年3月12日に発売されたアルバム『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ』に収録された。アナログ盤では、本曲からB面。
2012年10月に発売された同アルバムの45周年スーパーデラックス・エディション盤に様々なテイクが収録された(ライブ・バージョンは後述)。
「ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500」の2004年版で448位にランクされている。
演奏者
- ルー・リード - ボーカル、リード・ギター
- ジョン・ケイル - エレクトリック・ヴィオラ
- スターリング・モリソン - リズム・ギター
- モーリン・タッカー - パーカッション
他のバージョン
「ヘロイン」最も古い録音バージョンは、1965年7月にモーリン・タッカー以外のバンドメンバーがニューヨークのラドローストリートで録音されたテイクである。同じように『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ』に収録された「僕は待ち人」や「毛皮のヴィーナス」などの、デモ音源と、収録音源とのサウンドが大きく異なる曲とは違い、収録音源に即した演奏構成となっている。このテイクでリードはアコースティック・ギターでこの曲を演奏しており、このバージョンは1995年のコンピレーション・アルバム『Peel Slowly and See 1965-1969』で聴くことができる。
ライブ・バージョン
その他
- デニス・ジョンソンが1992年に発表した短編集『Jesus' Son』のタイトルは本作品の歌詞("And I feel just like Jesus' son")からとられた。同短編集の日本語版『ジーザス・サン』は2009年に柴田元幸の翻訳により出版された。また、『Jesus' Son』は1999年にビリー・クラダップ主演で映画化された。
脚注




