ビリー・ハミルトン(Billy R. Hamilton , 1990年9月9日 - )は、アメリカ合衆国ミシシッピ州スミス郡テイラーズビル出身のプロ野球選手(外野手)。右投両打。リーガ・メヒカーナ・デル・パシフィコ(メキシカンリーグ)のチャロス・デ・ハリスコ所属。愛称はボーン(Bone)。
2012年にマイナーリーグで史上最多の年間155盗塁を記録した。同姓同名の選手にMLB歴代3位の914盗塁の記録を持つ19世紀の名外野手ビリー・ハミルトンがいる。
経歴
プロ入り前
ミシシッピ州の人口1300人程の小さな町テイラーズビルで生まれる。少年時代はデレク・ジーターに憧れて育った。高校時代は右打席から一塁ベースまで3.78秒の俊足に加え、救援投手として92mph(約148.1km/h)を投じる強肩で鳴らした。州大会のプレーオフでは右翼邪飛を遊撃の守備位置から走ってダイビングキャッチし、シンシナティ・レッズのスカウトに「今まで見た中で最高のプレー」と言わしめた。野球以外に、アメリカンフットボールとバスケットボールでも活躍。アメリカンフットボールのワイドレシーバーとしてミシシッピ大学に進学予定だった。
プロ入りとレッズ時代
2009年のMLBドラフト2巡目(全体57位)でレッズから指名され、62万3000ドルの契約金で入団した。
プロ入り後、スイッチヒッターに転向。1年目こそ打率.205だったが、2年目の2010年は69試合で打率.318、48盗塁を記録した。
2011年の開幕前には、ベースボール・アメリカからレッズでアロルディス・チャップマンに次ぐ第2位の有望株とされ、全体でも51位にランクインした。A級デイトン・ドラゴンズでメジャー通算463盗塁のデライノ・デシールズ監督から指導を受け、135試合で103盗塁(失敗20)を記録した。
2012年は選球眼が向上して出塁率が上昇し、A 級ベーカーズフィールド・ブレイズでは82試合で104盗塁を積み重ね、AA級ペンサコーラ・ブルーワフーズに昇格。AA級でも快調に盗塁数を増やし、143盗塁で迎えた8月21日に4つの盗塁を成功させて147盗塁とし、ビンス・コールマンのマイナー最多記録(145)を19年ぶりに更新した。その後も記録を伸ばし、最終的に132試合の出場で155盗塁(失敗37)を記録した。10月2日、遊撃手から中堅手にコンバートされることが決まった。オフには、ベースボール・アメリカからレッズのNo.1有望株に選定された。
2013年9月3日のセントルイス・カージナルス戦でライアン・ラドウィックの代走としてメジャー初出場。この試合でヤディアー・モリーナから二盗を決め、トッド・フレイジャーの二塁打で、得点を決めた。同月7日までに4試合で代走で出場した。10日のシカゴ・カブス戦で7回に秋信守に代わり中堅の守備に就き、メジャー初打席に立った。18日のヒューストン・アストロズ戦で「9番・中堅手」でメジャー初先発出場を果たし、2回の第1打席でメジャー初安打を放った。この試合では4打数3安打、1打点を記録し、計4投手から4盗塁を決めた。初先発で4盗塁を記録したのは1920年以降で初であった。最終的に13試合の出場にもかかわらず、13盗塁(失敗1)を記録した。
2014年は開幕からレギュラーとして起用された。打撃が粗く、4月27日の時点で打率.221と低迷し、盗塁も最初の15企図中、5回失敗した。6月にはルーキー・オブ・ザ・マンスを受賞。後半戦は走攻守ともに向上し、9月2日にシーズン55個目の盗塁を記録し、レッズの球団新人記録を樹立。1909年にボブ・ベスチャーが記録した54盗塁を105年ぶりに更新した。最終的に56盗塁を記録し、ロサンゼルス・ドジャースのディー・ゴードン(64盗塁)に次ぐナショナルリーグ2位だったが、盗塁死23はナショナルリーグ最多だった。ゴールドグラブ賞の候補にも挙げられたが選出を逃し、新人王投票でもニューヨーク・メッツのジェイコブ・デグロムに次ぐ2位に終わった。
2015年は右肩の関節痛を発症した影響で出場機会が減少し、打撃の調子も落とした。走塁では2試合に1盗塁のペースとなる114試合出場での57盗塁を記録。タイトルは逃したが、成功率は87.7%という高率だった。
2016年、過去2シーズンに続いて、故障による離脱が発生し、119試合の出場に留まって規定打席にも未達だった。打撃面では、レギュラー定着後ではいずれもキャリアハイの打率.260、OPS.664という数字のほか、3本塁打、17打点を記録した。走塁面は、58盗塁を記録したが、出場試合数減の影響でジョナサン・ビヤーに抜き去られたため、盗塁王のタイトルはならなかった。
2017年は139試合に出場し、3年ぶりに規定打席に到達した一方で、打率、出塁率、長打率のいずれも昨年を下回る成績だった。
2018年は153試合に出場したが、盗塁は34に減った。オフの11月30日にノンテンダーFAとなった。
ロイヤルズ時代
2018年12月11日にカンザスシティ・ロイヤルズと1年総額425万ドル、2年目に750万ドルの延長オプション付きの契約を結んだ。
2019年8月16日にDFAとなった。
ブレーブス時代
2019年8月19日にウェイバー公示を経てアトランタ・ブレーブスへ移籍した。オフの10月31日にFAとなった。
ジャイアンツ傘下時代
2020年2月7日にサンフランシスコ・ジャイアンツとマイナー契約を結んでスプリングトレーニングに招待選手として参加することになったと報じられ、9日に正式公示された。
メッツ時代
シーズン開幕後の8月2日にジョーダン・ハンフリーズとのトレードで、ニューヨーク・メッツへ移籍した。8月4日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした。9月4日にDFAとなった。
カブス時代
2020年9月7日にウェイバー公示を経てカブスへ移籍した。オフの10月28日にFAとなった。
ホワイトソックス時代
2021年2月15日にクリーブランド・インディアンスとマイナー契約を結んでスプリングトレーニングに招待選手として参加することになったが、3月13日に自由契約となった。
その後、3月16日にシカゴ・ホワイトソックスとマイナー契約を結んだ。シーズン開幕日の4月1日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした。この年は71試合に出場して打率.220、2本塁打、11打点、9盗塁を記録した。オフの11月3日にFAとなった。
マリナーズ傘下時代
2022年3月21日にシアトル・マリナーズとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加したが、6月1日にFAとなった。
マーリンズ時代
2022年6月21日にマイアミ・マーリンズとマイナー契約を結び、7月1日にメジャー契約を結んだが、8月14日にFAとなった。
ツインズ時代
2022年8月29日にミネソタ・ツインズとマイナー契約を結んだ。9月1日にメジャー契約を結んだ。オフの11月6日にFAとなった。
ホワイトソックス時代
2022年12月16日にシカゴ・ホワイトソックスとマイナー契約を結んだ。
2023年はAAA級シャーロット・ナイツで開幕を迎え、5月2日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入り。メジャーでは3試合に出場したが、2打数無安打に終わった。5月10日に左ハムストリングの肉離れで故障者リストに入り、6月14日に40人枠から外れAAAシャーロットに直接送られた。8月22日に自由契約となった。
レイズ傘下時代
2023年8月30日にタンパベイ・レイズとマイナー契約を結んだ。AAA級ダーラム・ブルズで8試合に出場して、打率.300、5盗塁という成績だった。11月6日にFAとなった。
メキシカンリーグ時代
2024年2月22日にリーガ・メヒカーナ・デル・パシフィコ(メキシカンリーグ)のタバスコ・オルメクスと契約した。タバスコでは11試合に出場したが、打率.128に終わり、4月26日に自由契約となった。5月11日に同リーグのチャロス・デ・ハリスコと契約した。チャロスでは52試合に出場して、打率.283、0本塁打、13打点、35盗塁という成績を挙げ、タバスコでの2盗塁と併せて37盗塁でリーグ盗塁王を獲得した。
詳細情報
年度別打撃成績
- 2023年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
年度別守備成績
- 内野守備
- 外野守備
- 2023年度シーズン終了時
表彰
- ルーキー・オブ・ザ・マンス:1回(2014年6月)
記録
- MiLB
- オールスター・フューチャーズゲーム選出:2回(2012年、2013年)
背番号
- 6(2013年 - 2019年8月15日、2020年9月8日 - 同年終了、2022年 - 同年途中)
- 9(2019年8月20日 - 同年終了)
- 21(2020年 - 同年途中)
- 0(2021年、2022年途中 - 同年終了、2023年)
脚注
関連項目
- メジャーリーグベースボールの選手一覧 H
外部リンク
- 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
- Billy Hamilton stats MiLB.com (英語)
- Billy Hamilton (@BillyHamilton) - X(旧Twitter)
- Billy Hamilton (@bham4) - Instagram




