ソビエト連邦の勲章・褒章・記章の一覧(ソビエトれんぽうのくんしょう・ほうしょう・きしょうのいちらん ロシア語: Государственные награды СССР)はソビエト連邦で制定または授与されていた勲章、褒章、記章について記述する。

また、ソ連崩壊後に独立した15の国々(旧ソ連構成共和国)についても記述する。

概要

1918年9月16日にロシア・ソビエト連邦社会主義共和国が赤旗勲章を制定するとこれに続く形で他のソビエト社会主義共和国も独自の勲章を制定・授与した。

1922年にソ連が正式に成立し、1924年8月1日にソ連邦全体としての勲章が制定されるとソビエト社会主義共和国独自の勲章はソ連邦の勲章に統合された。ソ連の勲章は個人や都市の功績を称えるソ連邦英雄やレーニン勲章、第二次世界大戦で連合国の軍隊を率いた指揮官クラスの者に授与される勝利勲章、その他ウラジーミル・レーニン生誕100周年を記念するレーニン生誕100周年記念勲章や子供を10人以上産んだ母親英雄など、様々な勲章が存在する。

最高褒章

ソ連における最高褒章はソ連邦英雄であり、国家や社会のための任務において、英雄的な行為を示した個人や集団に対して贈与された。

栄誉称号

ソ連における栄誉称号は非常に種類が多く、勲章一つ一つの授与条件が全く違う。

民間軍事勲章

ソ連における民間・軍事勲章は非常に種類が多く、褒賞の中でも特に価値の高いものとして勝利勲章などが挙げられる。

第二次世界大戦記章

第二次世界大戦記章は、 大祖国戦争で戦場となった大都市においてその年の防衛に尽力した一般市民や軍人に授与された。1942年12月22日に制定されたレニングラード防衛記章とオデッサ防衛記章、セヴァストポリ防衛記章とスターリングラード防衛記章はソ連初の記章となり、レニングラード防衛記章は約147万人のレニングラード市民が授与された。

民間・軍事紀章

記念褒章

第二次世界大戦終結後、1945年の節目の年に記念褒章が制定されることになった。1965年大祖国戦争戦勝20周年記念記章が制定されて以降、 5年おき (65周年記念記章が制定されるまでは10年おきに。) に記念記章が制定され続けている。これらの褒章を授与される者は全員独ソ戦の退役軍人であった。

制定されなかった勲章

ソ連の勲章の中には、構想自体はあったものの何らかの理由があり正式に制定されなかった勲章もいくつか存在する。(スターリン勲章等、)

旧ソ連諸国の勲章

ソ連崩壊後、ソ連を構成していた15の共和国は独自の賞勲制度の制定作業を進めた。しかしほとんどは旧ソ連やロシアの賞勲制度に模した制度になり、ロシアやウクライナなどではソ連邦英雄に模したロシア連邦英雄やウクライナ英雄が制定されている。一方カザフスタンやトルクメニスタンなどでは比較的独自の制度を制定しており、バルト三国ではソ連編入前の第一共和国時代の賞勲制度を復活させている。

ロシア連邦の勲章

ロシア連邦における賞勲制度は基本的にソ連時代の賞勲制度と同じである。最高褒章はロシア連邦英雄。他にも聖徒アンドレイ・ペルボズバンニー勲章や1917年にロシア革命によってロシア帝国が消滅すると同時に廃止された後、ソ連崩壊に伴いロシア連邦下で復活した聖ジョージ勲章などがある。

ウクライナの勲章

ウクライナにおける賞勲制度は基本的にソ連時代の賞勲制度と同じである。最高褒章はウクライナ英雄。

ウクライナの旧ソ連褒章は受賞者の判断でウクライナ国家賞より後ろに着用することを条件に着用が認められている。なお、旧ソ連の勲章を授与された人はウクライナで制定されている同様の勲章を授与された者よりも地位が高い場合がある。2000年6月1日に施行した「特別功労賞に関する法」第1767-III号に従いウクライナSSR最高会議議長から勲章を授与された者は、ソ連崩壊後のヴェルホーヴナ・ラーダ(ウクライナ最高会議)から授与された者と異なり現行法に従って年金を受ける権利を有する。また、ウクライナでは鎌と槌の宣伝を禁じているが、「共産主義及び国家社会主義象徴宣伝禁止法第317-VIII号」に基づき褒章の着用を禁止していない(上記法律第4条第3部第7項)。

ベラルーシの勲章

ベラルーシにおける賞勲制度は基本的にソ連時代の賞勲制度と同じである。最高褒章はベラルーシ英雄。他にも独ソ戦に関連した勲章や、白ロシアSSR時代に制定された勲章を廃止せずに存続し続けるなど、ソ連の後継国家であるロシアの褒章制度よりソ連に近い褒章制度となっている。

ウズベキスタンの勲章

ウズベキスタンにおける賞勲制度はソ連時代の賞勲制度とはまた違う制度であり、多くの勲章がウズベキスタン独自の勲章である。

「ウズベキスタンの英雄」の称号は、ウズベキスタン共和国大統領から授与され、称号の授与に関する法令は報道機関およびその他のマスメディアで公開される。「ウズベキスタンの英雄」称号を授与された者には記念として「オルティン・ユルドゥズ」と称号授与に関する文書が授与される。

ウズベキスタン初代大統領のイスラム・カリモフも同褒章を受賞している。

カザフスタンの勲章

カザフスタンにおける賞勲制度はソ連時代の賞勲制度とはまた違う制度である。最高褒章はソ連邦英雄に似たカザフスタン英雄であるが、他の多くの勲章はカザフスタン独自の勲章である。また、カザフスタンの勲章には、勲章・記章の受章者がそれらを佩用しないときに受章歴を示すために着用する略綬が存在しないことが多い。他にもカザフスタン独自の勲章として、2001年5月3日付のカザフスタン共和国法第 180-II 号に基づき、初代大統領のヌルスルタン・ナザルバエフに敬意を表して制定されたナザルバエフ勲章が存在する。ナザルバエフ勲章は2022年でも同国の褒章制度にて3番目に位が高く、カザフスタン共和国の創造、繁栄、栄光に貢献する国家および公共活動における特別な功績に対して、カザフスタン共和国の市民に授与される。

ジョージアの勲章

ジョージア(グルジア)における褒賞制度はソ連時代の賞勲制度とはまた違う制度である。最高褒章はにジョージア(グルジア)国民英雄賞であり他の多くの勲章もジョージア独自の勲章である。ジョージア国民英雄賞は名前からして国民を対象にした褒賞として存在しているかのように見えるが、アメリカ合衆国の上院議員であったジョン・マケインやポーランドの大統領であったレフ・カチンスキなど外国人に対して授与されることも多い。

アゼルバイジャンの勲章

リトアニアの勲章

モルドバの勲章

ラトビアの勲章

キルギスの勲章

タジキスタンの勲章

アルメニアの勲章

トルクメニスタンの勲章

エストニアの勲章

外部リンク

  • (ロシア語) Legal Library of the USSR /

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