ティーサメノス(古希: Τισαμενός, Tīsamenos)は、ギリシア神話の人物である。主に、
- オレステースの子
- テルサンドロスの子
の2人が知られている。以下に説明する。
オレステースの子
このティーサメノスは、スパルタとアルゴスを支配したオレステースとヘルミオネーの子。ペンティロスと異母兄弟。コメーテース、ダイメネース、スパルトーン、テリス、レオントメネースの父。
ティーサメノスの時代にヘーラクレイダイがペロポネーソス半島に帰還を果たしたとされる。その際、ティーサメノスはアルゴリス地方のテーメニオンに拠点を築いたテーメノスと交戦したが、最終的にスパルタとアルゴスから退去し、アカイア人を率いてアカイア地方に移った。しかし土地に住むイオーニア人の反発を受けて戦いとなり、戦死した。ティーサメノスの遺体はアカイア人が戦争に勝利したのちヘリケーに埋葬されたと伝えられている。なお、アポロドーロスはティーサメノスはヘーラクレイダイに殺されたとしている。
テルサンドロスの子
このティーサメノスは、テーバイの王テルサンドロスとアムピアラーオスの娘デーモナッサの子、アウテシオーンの父。トロイア戦争に出兵した父テルサンドロスがミューシアで戦死したとき、ティーサメノスはまだ幼かった。そのためペーネレオースが王となってテーバイのトロイア遠征軍を率いた。その後、ペーネレオースがトロイアで戦死するとティーサメノスが王に選出されたが、テーバイにおけるオイディプース王の家系は息子のアウテシオーンの代で途絶えることとなった。
系譜
脚注
参考文献
- アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫(1953年)
- パウサニアス『ギリシア記』飯尾都人訳、龍渓書舎(1991年)
- 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』岩波書店(1960年)




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