2000年の映画(2000ねんのえいが)では、2000年(平成12年)の映画分野の動向についてまとめる。
1999年の映画 - 2000年の映画 - 2001年の映画
できごと
世界
- 2月19日 - 第50回ベルリン国際映画祭で市川崑監督『どら平太』がベルリナーレ・カメラ賞(功労賞)受賞。
- 5月19日 - 仏通信大手ヴィヴェンディグループが、シーグラム(MCAの親会社)を事実上買収し合併。
- 6月27日 - 韓国、日本大衆文化段階的開放措置で観覧制限「18歳以上」全面解禁、全面禁止のアニメ映画を一部解禁。
- 7月10日 - 『ゴジラ2000 ミレニアム』(大河原孝夫監督)の北米公開に合わせ、米国カリフォルニア州・ロサンゼルス郡が「Godzilla Week」を宣言 (16日まで)。
- 8月18日 - 『ゴジラ2000 ミレニアム』、全米約2000館で公開。
- 9月 - マイケル・ダグラスとキャサリン・ゼタ=ジョーンズが結婚。
日本
- 1月
- 米メジャー5社と東宝東和・日本ヘラルド映画・ギャガ・コミュニケーションズ・松竹が配給収入発表から興行収入発表に切り換える。
- 1月1日 - キョクイチが「トムス・エンタテインメント」と改称。
- 1月9日 - 第5回東宝シンデレラ決戦大会が開かれ、長澤まさみがグランプリ、審査員特別賞に大塚ちひろ。
- 1月11日 - 日本映画海外普及協会会長に衆議院議員・与謝野馨就任。
- 2月
- 2月23日 - 元松竹社長・大谷隆三死去。
- 2月28日 - NHK衛星放送受信契約数1000万突破。
- 3月
- 3月1日
- 銀座テアトル西友が「銀座テアトルシネマ」と改称。
- 脚本家・田中澄江死去。
- 3月9日 - 文化庁優秀映画大賞(「長編映画部門」「短編映画部門」)を制定。
- 3月11日 - 日劇プラザで封切られた『トイ・ストーリー2』が日本初のDLPプロジェクターによるデジタルシネマとして上映。
- 3月21日 - 田波靖男(脚本家・藤本賞審査委員)死去。
- 3月24日 - 松竹の経営再建3か年計画の一環で行われた希望退職募集に80名が応募。
- 3月1日
- 4月
- 4月1日 - ウォルト・ディズニー・カンパニーがBV(ブエナビスタ ジャパン)を含む日本法人4社を統合、「ウォルト・ディズニー・インターナショナル・ジャパン」設立。
- 4月22日 - 東京お台場に都内初のシネマコンプレックス「シネマ・メディアージュ」がオープン。
- 4月29日 - 東京・シネリーブル池袋開場。
- 5月
- 5月25日 - ワーナー・マイカル・シネマズ板橋(WMC板橋)開場。WMC初の都内進出。
- 6月
- 大規模小売店舗立地法が施行される。2001年1月末までの開業なら適用外となるのでショッピング・センターやスーパーマーケットの駆け込み出店が相次ぎ、併設のシネマコンプレックスも急増した。前年比303スクリーン増加は新記録。
- 6月16日 - 大阪・北野劇場、『M:I-2』(ジョン・ウー監督)完成披露試写会の舞台挨拶を東京から衛星中継。
- 6月30日 - 64年の歴史を持つ松竹大船撮影所が閉鎖。10月31日、株式会社大船撮影所解散。
- 7月
- 7月1日 - 大阪・東宝敷島劇場および敷島シネマを廃止。7月8日、「敷島シネポップ 1・2・3」を新設開場。
- 7月8日 - 東京・池袋HUMAXシネマズ開場。
- 8月
- 8月28日 - 東映系シネコン事業会社、ティ・ジョイ設立。劇場にデジタルシネマ衛星配信を導入。
- 9月
- 東宝、東映も興行収入発表に切り換える。東宝は、作品的には『ホワイトアウト』から興行収入での発表に変更。映連主導により日本映画界全体の統一基準として、わかりやすさ、グローバル化を導入。
- 9月20日 - 徳間康快(徳間書店・大映社長、映画プロデューサー)死去。正四位追贈。
- 9月22日 - 第7回平壌国際映画祭に『十五才 学校IV』で特別招待された山田洋次監督が帰国報告会見。
- 9月27日 - 正月映画に予定されていた『チキン・チキン・ラン・ラン』の日本配給権が、公開予定していたUIPではなく韓国のCJエンターテイメントにあることが判明し、『チキン・チキン・ラン・ラン』は『チキンラン』に改名され、CJエンターテイメント、シネカノン、アミューズ・ピクチャーズの共同配給で2001年春に公開されると発表。
- 10月
- 10月5日 - 10月7日から公開予定だった『エクソシスト <ディレクターズ・カット版>』が観客に見せるクオリティに達していないとのウィリアム・フリードキン監督の意向で公開延期になる。ついに11月23日に封切られ正月シーズンまで続くロングランヒットとなる。
- 10月19日 - 映連が映画成績発表を興行収入に統一、配給収入での発表廃止を決定。
- 11月
- ダイエー、タイムワーナー共同展開のキャラクター専門店、合併契約解消。
- 11月10日 - 東宝、東京・八王子東宝劇場解約、撤退。
- 11月17日 - 衆議院文教委員会で民主党の石井紘基により『バトル・ロワイアル』(小説・映画)の暴力描写が青少年に与える影響を懸念する問題提起がなされる。その後、政治家や大臣、深作欣二監督、東映、映倫を巻き込んだ論争に発展し、映画『バトル・ロワイアル』は大ヒットする。
- 12月
- 12月1日 - BSデジタル本放送開始。
- 12月8日 - 大阪堺市・ヴァージン・シネマズ泉北開場。
- 12月9日 - ティ・ジョイ第1号シネコン、T・ジョイ東広島開場。
- 12月12日 - 東京池袋・新文芸坐、マルハンが人世坐より事業を引継ぎ、開場。
- 12月14日 - 東京有楽町・東京宝塚ビル竣工式・内見会挙行。
- 12月16日
- インディペンデント映画紹介の国際映画祭、第1回東京フィルメックス開催。
- 東京宝塚ビルに併設のスカラ座1は『シックス・デイ』(ロジャー・スポティスウッド監督)、スカラ座2は『ウーマン・オン・トップ』(フィナ・トレス監督)で新築開場。
- 12月23日 - 大阪・シネリーブル梅田1-2開場。
周年
- 創業105周年
- 松竹
日本の映画興行
- 入場料金(大人)
- 1,800円
- 1,800円(統計局『小売物価統計調査(動向編) 調査結果』 銘柄符号 9341「映画観覧料」)
- 入場者数 1億3539万人
- 興行収入 1708億6200万円
- 出典:「2000年度 日本映画・外国映画 業界総決算 経営/製作/配給/興行のすべて」『キネマ旬報』2001年(平成13年)2月下旬号、キネマ旬報社、2001年、149 - 150頁。
各国ランキング
日本興行収入ランキング
- 出典:2000年興行収入10億円以上番組 (PDF) - 日本映画製作者連盟
全世界興行収入ランキング
- 出典:“2000 Worldwide Box Office Results”. Box Office Mojo. 2015年12月26日閲覧。
北米興行収入ランキング
- 出典:“2000 Domestic Yearly Box Office Results”. Box Office Mojo. 2016年1月15日閲覧。
イギリス興行収入ランキング
- トイ・ストーリー2
- グラディエーター
- チキンラン
- アメリカン・ビューティ
- スチュアート・リトル
- M:I-2
- リトル・ダンサー
- X-メン
- ザ・ビーチ
- ダイナソー
- 出典:“Top 20 films in UK cinemas”. Film Distributors' Association. 2016年1月15日閲覧。
オーストラリア興行収入ランキング
- グラディエーター
- M:I-2
- ミート・ザ・ペアレンツ
- スチュアート・リトル
- チャーリーズ・エンジェル
- アメリカン・ビューティ
- 月のひつじ
- エリン・ブロコビッチ
- チキンラン
- 60セカンズ
- 出典:“Australian box office data”. Movie Marshal. 2016年1月17日閲覧。
フランス観客動員数ランキング
- TAXi2
- シックス・センス
- ダイナソー
- グラディエーター
- トイ・ストーリー2
- M:I-2
- Le Goût des autres
- 最終絶叫計画
- アンブレイカブル
- クリムゾン・リバー
- 出典:“Box-office France 2000”. Avoir-alire. 2016年1月15日閲覧。
ドイツ観客動員ランキング
- アメリカン・パイ
- M:I-2
- アメリカン・ビューティー
- グラディネーター
- ダイナソー
- スクリーム3
- ミート・ザ・ペアレンンツ
- 劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲
- トイ・ストーリー2
- エリン・ブロコビッチ
日本公開映画
2000年の日本公開映画を参照。
受賞
- 第73回アカデミー賞
- 作品賞 - 『グラディエーター』
- 監督賞 - スティーヴン・ソダーバーグ(『トラフィック』)
- 主演男優賞 - ラッセル・クロウ(『グラディエーター』)
- 主演女優賞 - ジュリア・ロバーツ(『エリン・ブロコビッチ』)
- 第58回ゴールデングローブ賞
- 作品賞 (ドラマ部門) - 『グラディエーター』
- 主演女優賞 (ドラマ部門) - ジュリア・ロバーツ(『エリン・ブロコビッチ』)
- 主演男優賞 (ドラマ部門) - トム・ハンクス(『キャスト・アウェイ』)
- 作品賞 (ミュージカル・コメディ部門) - 『あの頃ペニー・レインと』
- 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - レニー・ゼルウィガー(『ベティ・サイズモア』)
- 主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - ジョージ・クルーニー(『オー・ブラザー!』)
- 監督賞 - アン・リー(『グリーン・デスティニー』)
- 第66回ニューヨーク映画批評家協会賞 - 『トラフィック』
- 第53回カンヌ国際映画祭
- パルム・ドール - 『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(ラース・フォン・トリアー)
- 監督賞 - エドワード・ヤン(『ヤンヤン 夏の想い出』)
- 男優賞 - トニー・レオン(『花様年華』)
- 女優賞 - ビョーク(『ダンサー・イン・ザ・ダーク』)
- 第57回ヴェネツィア国際映画祭
- 金獅子賞 - 『チャドルと生きる』(ジャファル・パナヒ)
- 第50回ベルリン国際映画祭
- 金熊賞 - 『マグノリア』(ポール・トーマス・アンダーソン)
- 銀熊賞(監督賞) - ミロス・フォアマン (『マン・オン・ザ・ムーン』)
- 銀熊賞(男優賞) - デンゼル・ワシントン (『ザ・ハリケーン』)
- 銀熊賞(女優賞) - ナディヤ・ウール、ビビアナ・ベグラウ (『Die Stille nach dem Schuß』)
- 審査委員賞 - 『ミリオンダラー・ホテル』
- 第24回日本アカデミー賞
- 最優秀作品賞 - 『雨あがる』(小泉堯史)
- 最優秀主演男優賞 - 寺尾聰(『雨あがる』)
- 最優秀主演女優賞 - 吉永小百合(『長崎ぶらぶら節』)
- 第43回ブルーリボン賞
- 作品賞 - 『バトル・ロワイアル』
- 主演男優賞 - 織田裕二(『ホワイトアウト』)
- 主演女優賞 - 吉永小百合(『長崎ぶらぶら節』)
- 監督賞 - 阪本順治(『顔』)
- 第74回キネマ旬報ベスト・テン
- 外国映画第1位 - 『スペース・カウボーイ』
- 日本映画第1位 - 『顔』
- 第55回毎日映画コンクール
- 日本映画大賞 - 『顔』
死去
- 主な出典:「2000年 映画界物故人」『キネマ旬報』2001年(平成13年)2月下旬号、キネマ旬報社、2001年、232 - 233頁。
脚注
出典
参考文献
- 「2000年度 日本映画・外国映画 業界総決算 経営/製作/配給/興行のすべて」『キネマ旬報』2001年(平成13年)2月下旬号、キネマ旬報社、2001年。
- 「コラムでふりかえる2000年映画界10大ニュース」『キネマ旬報』2001年(平成13年)2月下旬号、キネマ旬報社、2001年。
- 「2000年映画界の出来事」『キネマ旬報』2001年(平成13年)2月下旬号、キネマ旬報社、2001年。
- 斉藤守彦『映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?』ダイヤモンド社、2009年11月27日。ISBN 978-4-478-01134-8。
- 東宝 編『東宝75年のあゆみ ビジュアルで綴る3/4世紀 1932 - 2007』東宝、2010年4月。
- 東宝 編『東宝75年のあゆみ 1932 - 2007 資料編』(PDF)東宝、2010年4月。




